こんにちは。札幌自学塾 新道東店の五十嵐です。
公立高校の入試も終わったので、私のブログ記事も平常運行に戻します。
今回の記事は、私の趣味全開でお届けします。(平常運行とはいったい…)
ガチャの確率と数学
スマホの普及により台頭してきた「ソシャゲ」と呼ばれるゲーム。
昔は、ゲームといえば子どもがするものでしたが、今は、そんなゲーム時代に育ったママ・パパも普通にゲームをする時代です。
特に、家事だの仕事だので忙しい大人にとっては、隙間時間にプレイできる「ソシャゲ」は非常に相性が良いかもしれません。
そして、この「ソシャゲ」に欠かせないのが「ガチャ」と呼ばれる課金要素です。
今回の記事では、そんなガチャにまつわる確率を数学的視点から考えてみます。
なお、私の趣味全開でお届けするため、私の過去の狂気っぷりも一部掲載しておきます。
・ガチャとは
・ガチャの確率とは
・排出確率1%のガチャ、100回引けば必ず当たるとは限らない?
・泥沼にハマる前に知っておいてほしいこと
・最後に
ガチャとは
ソシャゲに欠かせないのが「ガチャ」と呼ばれる課金要素です。
知らない人は、玩具コーナーとかに置いてある、硬貨を入れてハンドルを回すとカプセル入りの景品が出てくるアレを想像してください。
このガチャですが、何十種類あるいは何百種類の中からランダムに引くことになりますので、必ずしも自分が欲しいものを引き当てることが出来るとは限りません。
そのため、射幸心を煽られる傾向にあり、自分が欲しいものを引き当てられるまで永遠とガチャを回し続ける人も出てきます。
有名なタイトルのトップ課金者ともなると数千万円単位でお金を使う人も居るそうです。スネ夫か石油王ですね。
一般的な収入の大人がのめり込んで借金に陥ったり、子どもが親のクレジットカードを使い込んでとんでもない請求金額になるケースもあるとか。
ガチャの確率とは
さて、ここからが本題です。
現在では、ほとんどのガチャには確率表記がされていると思いますが、この確率の意味を皆さんは理解していますか?
私はあまりゲームに詳しくないのですが、多くのソシャゲのガチャでは、最上位のレアリティのみを狙いに行く傾向にあると思います。
つまり、最上位以外は全てハズレという考え方です。…そうゆう認識であってますよね? え、私って廃人思考過ぎますか??(´・ω・`)
この最上位のレアリティの排出確率は、どのゲームでも恐らく1~5%程度だと思います。
ちなみに、私がやっていたゲームでは3%でした。(実際に狙っていたのは0.666%でしたが)
そして、この確率の意味を理解していないと結構泥沼にハマります。
確率といえば、数学の授業で皆さん習ったはずですよね。
ここで、少し簡単な事例を見てみましょう。
事例1.
赤色の球が1個、白色の球が99個、全部で100個の球が箱の中には入っている。この箱から、1個の球を引くとき、引いた球が赤色である確率を求めなさい。
この答えは1%です。これは簡単ですよね。
(中学数学では確率を分数で表しますが、この記事では全てパーセントで表記します。)
事例2.
赤色の球が1個、白色の球が99個、全部で100個の球が箱の中には入っている。この箱から、100個の球を引くとき、引いた球の中に赤色の球が含まれている確率を求めなさい。ただし、1度引いた球は、箱には戻さないものとする。
この答えは100%です。
問題文が長くて分かりにくいですが、全部で100個しか入っていない箱から100個を取り出すんですから、絶対に赤色の球を引くことになりますよね。
さて、ここで、事例1・事例2に出てきた赤色の球をガチャで言うところの最上位のレアリティだとしましょう。
すると、ゲーム上の確率表記では事例1から分かるように「1%」と表示されることになります。
では、もしも、あなたがこの最上位のレアリティを絶対に引きたいとき、このガチャを何回引く必要があるでしょうか?
事例2を見て「1%」のガチャなんだから100回引けば「100%」になる、答えは100回だ!…と思った方は残念ながら違います。
そして、これが泥沼にハマる理由でもあります。
排出確率1%のガチャ、100回引けば必ず当たるとは限らない?
問:排出確率1%の最上位レアリティを絶対に引きたいとき、このガチャを何回引く必要があるでしょうか?
答:最上位レアリティを引くまでガチャを引き続ける必要がある。
答えになっていない気もしますが解説します。
まず、ソシャゲのガチャの仕組みは、前述の事例とは少し異なっています。
先程の事例では「1度引いた球は箱には戻さない」というルールでした。
たとえ運が悪くて99回連続で白色の球を引いたとしても、箱の中に残っている球は赤色ただ1つです。
なので、100回目に引いた際には必ず赤色の球となりました。
ところが、ソシャゲのガチャの仕組みは「ハズレを引いたら新しくハズレを箱の中に補充します」という迷惑なものです。
このルールだと、99回連続で白色の球を引いたとしても、箱の中にあるのは、赤色の球が1個、白色の球が99個のままです。
なので、100回引けば必ず赤色の球を得られるとは限りません。
もちろん、120回、150回、200回…と引いても、必ず赤色の球を得られるとは限りません。
ちなみに、実際に排出確率1%のアタリを100回で引き当てられる確率は約63%です。200回でも約86%です。
一応、どのように計算するか簡単に触れておくと次のようになります。
① ハズレを引く確率を求めます。(1回引いた時にアタリを引けない確率を求めます)
② ①の確率をガチャを引く回数分だけ累乗します。(ガチャを引く回数分だけ①を繰り返し掛けます)
③ 100%から②の確率を引きます。
要するに、100% ー 全部ハズレの確率 = 少なくとも1個以上アタリを引いた確率 ということです。
この計算によると、99%の確率でアタリを引き当てるためには459回も引かないといけません。
それでも、100人がこのガチャを459回ずつ引いても、アタリを引けない運の悪い人が1人くらいは現れる可能性があります。
Twitter等を見ていると、たかが20~30回程度の試行回数で「爆死した」と騒ぐ人もいますが、確率としては全然普通にありうる話なのです。
泥沼にハマる前に知っておいてほしいこと
ゲームによっては、もっと渋い確率のガチャもあるでしょうし、複数個引き当てる必要もあることでしょう。
私がしていたゲームでは、ピックアップ排出確率0.666%のアイテムを5個引き当てるというなかなか狂気じみた勝負をしていたので掲載しておきます。
100回引いてピックアップを1個以上引き当てる確率が約52%です。
ですが、たかが1個では役に立たないという世界だったので、5個以上引き当てる場合に限定して話をします。
100回引いてピックアップを5個以上引き当てる確率が約0.09%、200回で約1.66%。
300回で約7.16%。現実的には、この辺で引き終えることができたらラッキーです。
以下同様に400回で約17.26%、500回で約30.54%、確率が50%を超えるのは640回です。
640回も引いて、2人に1人しか目標達成することが出来ません。
そして、冒頭でも述べたとおり、ガチャは基本的には課金要素です。このゲームのガチャは通常10回3,000円相当です。
先程の640回で目標達成できなかった人がムキになってお金を注ぎ込んだとしましょう。
1,090回でようやく90%を超えます。先程の640回から更に450回、金額にして135,000円も追加で費やしています。
それでも、10人に1人はまだ目標達成することが出来ない計算になります。
一般的にガチャは新しいものが次々と登場します。
こんなことを毎月あるいは毎週やっていたら、お金がいくらあっても足りません。
このような確率の感覚と金銭感覚をしっかりとクロスさせていないと、射幸心を煽られて本当に泥沼にハマってしまいます。
ちなみに、私は、このような確率や金銭のリスクを承知の上でプレイするのであれば問題は無いと思っています。
「ゲームは良くない」「ゲームなんかやめろ」と言うだけなら簡単ですが、せっかくなので数学と結びつけて考えてみました。
最後に…
これだけ書いておいてアレですが、私はガチャが嫌いなので基本的にお金を投じません。
理由は単純で「お金を払って欲しいものが確実に得られないのは理解が出来ない」というスタンスです。
※私がやっていたゲームのガチャはもう少し複雑な仕様があったため、一部簡略化して掲載しています。そのため、記載している試行回数通りに計算すると確率に差異が生じることをご承知おきください。
※ゲームによってはガチャの排出方法が掲載しているものと異なる場合がございます。
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ちなみに、この記事を書いている人は、元ポケモンカードマスターの黒歴史があります。(参考記事はこちら)
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私も普段は真面目なことを書いてますので、併せて他の記事もご覧頂ければ幸いです。(五十嵐先生の記事はこちら)