こんにちは。札幌自学塾・新道東店の講師、五十嵐です。
今回も、前回に引き続き、合同証明の記述問題を取り上げます。
私の前回の記事や塾長のYouTube動画講座も併せてご覧ください。
合同証明の記述問題~その2~
問2.
次の図のように、△ABCにおいて、辺AC上にAD=CE となるように2点D、Eをとる。BEの延長と、点Cを通り辺ABに平行な直線との交点をFとする。また、点Dを通りBFに平行な直線と辺ABとの交点をGとする。このとき、△AGD≡△CFE であることを証明しなさい。
・考え方
・解答例
考え方
まずは、ゴールを確認しましょう。
△AGD≡△CFE を証明することが目標です。
この2つの三角形が図中のどこを指しているのかを把握しましょう。
次に、設問文から読み取れる条件を図にどんどん書き入れてゆきます。
簡単なところでは、仮定より、AD=CE(赤)ですね。
更に設問文から読み取れる条件を図に書き入れてゆきます。
今回の問題は、問題自体の難易度は高くないのですが、設問文を読み取る力が問われます。
「BEの延長と、点Cを通り辺ABに平行な直線との交点をFとする。」という文から、AB//FC だと読み取れましたか?
平行な直線が登場したら、必ず同位角と錯角を確認してください。
今回は、錯覚が等しいので、∠DAG=∠ECF(青)だと分かります。
更に設問文から読み取れる条件を図に書き入れてゆきます。
「点Dを通りBFに平行な直線と辺ABとの交点をGとする。」という文から、GD//BF だと読み取れます。
平行な直線が登場したので、同位角と錯角を確認しましょう。
今回は、同位角が等しいので、∠ADG=∠AEB(緑)だと分かります。
ですが、この条件だけでは、△AGD≡△CFE の証明には役に立ちません。
もう少し見てみましょう。
対頂角が等しいので、∠AEB=∠CEF(緑)です。
∠ADG=∠AEB、∠AEB=∠CEF ということは、∠ADG=∠CEF(緑)だと分かります。
以上で、AD=CE(赤)、∠DAG=∠ECF(青)、∠ADG=∠CEF(緑)と3つの材料が揃いましたので、
「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」
と言うことができるため、△AGD≡△CFE が成り立つと証明することができます。
なお、整理すると、このような状況になっています。
解答例
△AGDと△CFEにおいて、
仮定より、AD=CE・・・①
AB//FCより、錯角が等しいので、∠DAG=∠ECF・・・②
GD//BFより、同位角が等しいので、∠ADG=∠AEB・・・③
対頂角が等しいので、∠AEB=∠CEF・・・④
③、④より、∠ADG=∠CEF・・・⑤
①、②、⑤より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、
△AGD≡△CFE
参考:ハイクラステスト数学(受験研究社)