こんにちは。五十嵐です。
「なぜ勉強しなくてはならないのか?」その答えの1つは「将来のため」と以前紹介しました。(以前の記事「小学生・中学生の成績が伸びない理由は?」はこちら)
今回は、その答えを考えるために以前紹介した現代社会の実態のうちの1つ国内総生産(GDP)の続編になります。(以前の記事「現代社会の実態(国内総生産)」はこちら)
現代社会の実態(国内総生産その2)
過去の記事で、現代社会の実態の1つの例として国内総生産(GDP)を紹介しました。
その中で、日本の経済が衰退し、将来の日本は昔とは状況が変わってゆくことを説明しました。
「なぜ勉強しなくてはならないのか?」その答えの1つは「将来のため」です。
ですが、その「将来」がどういう時代背景にあるかを生徒の皆さんが想像することはかなり難しいです。
そのため、経済、人口、失業、年金…と様々な角度から「将来」を知って頂きたく投稿してきました。
そんな中、内閣府から5月18日に2020年1-3月期のGDP速報値が公表されました。
この速報をご覧になった方の中には「以前の記事の内容と違うじゃん!」「五十嵐の嘘つき!」と仰る方もいらっしゃると思い、改めて、続編を掲載いたします。
・2020年1-3月期のGDP速報値
・五十嵐先生は嘘つきなのか
・EPSから見る日経平均株価
・最後に…
2020年1-3月期のGDP速報値
次のグラフは、日本の実質GDP成長率の推移です。
以前の記事のグラフと異なるのは、最新情報である2020年1-3月期の速報値が追加されたことです。
内閣府によると、2020年1-3月期のGDP速報値は実質の季節調整値で前期比「-0.9%」、年率換算で「-3.4%」でした。
個人的には思ったよりも下げ幅が小さかった印象で、実際に民間エコノミスト予測でも年率「-4.8%」だったため、意外に感じました。
ところで、前回と比べて年率「-7.1%」から「-3.4%」とグラフは上向きになっています。
五十嵐先生は果たして嘘つきなのでしょうか?
(グラフは時事ドットコムニュースより引用)
(参考URL:https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051800155&g=eco)
五十嵐先生は嘘つきなのか
結論から言うと、マイナスはマイナスであって、事実上2期連続のマイナス成長です。
仮に、五十嵐先生が嘘つきであるとすれば、今期が最低でもプラスに、グラフで言うと赤色の線がゼロを大きく上回る必要がありました。
具体的な話の前に、グラフの読み方と意味を理解しましょう。
ここでは年率換算だと話が分かりづらくなるので、一度、四半期ベースの数値で見てみます。
まず、2019年10-12月期のGDP成長率は前期比「-1.8%」となっています。
この「前期比」という言葉の「前期」とは、2019年10-12月期の前の統計、つまり2019年7-9月期を指します。
わかりやすく、この2019年7-9月期のGDPを100と仮定して下さい。
そこから、2019年10-12月期のGDP成長率が前期比「-1.8%」になったということは、元々100だったGDPが、この時点で98.2になったことを意味しています。
そして、今回の2020年1-3月期のGDP成長率が前期比「-0.9%」になったということは、それまで98.2だったGDPが、更に下がって約97.3になったことになります。
このように、グラフの赤色の線は確かに上を向いていますが、あくまでもGDPの下落幅が小さくなっただけであってGDP自体が下落し続けているという事実は変わりません。
では、五十嵐先生が嘘つきではないということがご理解頂けたところで、実際にこれまでの出来事を具体的に見てゆきましょう。
以前の記事で取り上げた年率「-7.1%」という数値は2019年10-12月期のものです。
この時期は、皆さんもご存知のとおり消費税増税のタイミングでした。
消費税が10%に上がる前に、9月末のうちに色々と買い物をした人は多いでしょう。
そのため、通常、増税後は一時的に消費が冷え込んで経済の成長が鈍くなる傾向にあります。
しかし、いくら9月末のうちに色々と買い物をした人であっても、やがては10%の消費税で色々と買い物をせざるを得ません。
このため、一般的には、増税直後から月日がある程度経過すると反動で経済が回復する傾向にあります。
それが今回発表された2020年1-3月期の数値でした。
「消費税増税からの反動による回復」というプラス方向への期待がもてる材料(要因)の1つでした。
ところが、この時期に、追い打ちをかけるように現れたのが「新型コロナウイルスによる被害」というマイナス方向の材料(要因)でした。
北海道では2月下旬頃から全国に先駆けてこの対策を打っていましたが、全国的に見れば、まだまだ悪夢の序章に過ぎない時期でした。
今回発表された2020年1-3月期の数値は、大きく見れば「消費税増税からの反動による回復」というプラスと「新型コロナウイルスによる被害」というマイナスの衝突でした。
その結果だけを見れば、年率「-7.1%」から「-3.4%」へと一見改善されているように見えますが、この時期の新型コロナウイルスの影響は、前述のとおり、まだまだ悪夢の序章に過ぎません。
新年度、4月になってからの皆さんの生活はどうでしょうか?
北海道だけではなく、東京都や大阪府でも緊急事態宣言が出され「3密」を避けるためにと、ありとあらゆるお仕事に影響が及びました。
コロナ関連の倒産件数も150件と大きく伸びており、私の知人の中にも実際にコロナ禍の影響なのか正社員にも関わらず解雇された人がいます。
もちろん、生徒の皆さんは学校で授業を受けることができずにいて、保護者の方々も大変な思いをなさっていると思いますが、そのあたりの話は別の機会にさせて頂きます。
このような現状のため、来期、2020年4-6月期については、年率「-20%」を超え戦後最大に達するとの見方が多く、3期連続のマイナス成長になるとみてまず間違いないでしょう。
ここまで来ると景気後退、あるいは不況と言った方が分かりやすいかもしれません。以前の記事で申し上げた経済の衰退が新型コロナウイルスの影響で更に加速してゆくでしょう。
このような現状を見ると、生徒の学習塾代に多額を費やしている方には、ぜひ料金の安い札幌自学塾をおすすめしたいです。
EPSから見る日経平均株価(難しい話です)
※私は経済アナリストではありません。小学生・中学生を教える学習塾のただの講師です。
※この項目は非常に難しいものとなっておりますので、次の項目へ読み飛ばして頂いて構いません。
※一応、少しでも読みやすいようにするために、あえて正確ではない表現を用いる場合がございます。
先程の話に対して、経済に詳しい方から「そうは言っても日経平均株価は伸びてるじゃん!」と反論されそうです。
こればかりは、私はド素人なので正確に答えられないのですが、1つだけ明確に言えることがあります。
株(株式)は買いたい人が買うものであり、買いたい人が多いほど株価が上がります。
「そんなの当たり前の話だろう!」と怒られそうですが、シンプルかつ重要な話です。
大切なことなのでもう一度言います。株価は買いたい人が多いほど上がります。
たとえ実体経済とかけ離れていようが、買いたい人が多いほど株価は上がるのです。
皆さんは、この意味が分かりますか?
2月末に24,000円近くあった日経平均株価が3月中旬には16,000円近くまで暴落しました。
その後、何事もなかったかのように回復してゆき、執筆中の5月20日現在の終値では20,595円まで押し戻しています。
株は、企業の業績が「良いから買う」「悪いから売る」と言うほど単純なものではありません。
その企業が将来大きく成長することを織り込んで(見込んで)株価が安いと思われるうちから買うケースも多々あります。
ここで、株式の取引をする上で、重要な知識の1つにEPSというものがあります。
EPS(=Earnings Per Share)とは、日本語では「1株当たりの純利益」と訳されます。
要するに、1株につき、どれくらいの利益を生み出してくれるかを示すものになります。
たとえば、単純に考えて「1株で利益を100円生み出す企業」と「1株で利益を10,000円生み出す企業」があったとしたら、後者の方が良さそうですよね。
より多くの利益を稼ぎ出せる企業の方が成長して、更に多くの利益を稼ぎやすくなりますから。
本当はPERというもので説明する方がより正確なのですが、話がもっと難しくなるのでここでは割愛します。
さて、先程見たようにEPSが大きい方が稼ぐ力が大きいので有利になるとお話しました。
ここで、直近30営業日の日経平均株価とそのEPSを2つ紹介します。
・4月3日
日経平均株価:17,820.19円
日経平均EPS:1,498.75円
・5月19日
日経平均株価:20,433.45円
日経平均EPS:553.15円
皆さんは、この2つを比較して何に気がつきましたか?
1つは、日経平均株価が上昇していることです。
そして、もう1つは、EPSが3分の1近くまで下落しているということです。
EPSが下がっているということは、企業の稼ぐ力が弱まっているということです。
そのはずなのに、日経平均株価はどんどん上昇しています。
何だか不思議に感じませんか?
普通に考えれば、企業の稼ぐ力が弱まっているのであれば、株価もそれに見合った減少をするはずです。
もちろん、株取引においてEPSが全てではなく、他にも考慮すべきものは沢山あります。
ですが、この記事は、株式投資のお話ではありません。
あくまでも注目すべきは、EPSが下がっている=企業の稼ぐ力が弱まっているという事実です。
YAHOOとかニュースを見ても日経平均株価の話はよく目にしますが、もう少し深く見てみると、日常では気付かないことがあったりします。
そして、EPSが下がっている=企業が稼ぐ力が弱まっているということも、ある意味、経済の衰退と呼べるのではないでしょうか?
EPSが全てではありませんが、日経平均株価が上昇しているからといって必ずしも経済が成長しているとは限らないのです。
最後に…
このような知識は学校では習いません。大人になってから学ぶ勉強の1つです。
私自身は法学部の出身だし、金融関係のお仕事の経験は全くありません。
全て大人になってから自力で学んだことです。
中には「五十嵐先生が札幌南高校に入学するくらい頭が良いから出来るんでしょ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、あまり知られたくないのですが(特に塾長には…)、私が中学1年生の時の通知表の成績は4・4・4・4・3でした。(当時は相対評価でしたが)
最終的には独学でオール5になりましたが、この成長過程で私が実践したことは、今思えば札幌自学塾の謳う「自ら学ぶ力」に通じるものがありました。
なので、塾の看板としては、本来は、超エリート講師と謳った方が望ましいのかもしれませんが、残念ながら私自身は天才ではありません。
ただ、それでも、上記のような成績でスタートした私が、札幌南高校に入学したのも事実です。
社会人としても、国家公務員試験に現役で合格して霞ヶ関の国家公務員として勤めていたのも事実です。
民間の営業会社で新人賞を受賞して、入社半年で一気に課長代理まで昇進したのも事実です。
過去の記事でも何度も申し上げてきましたが、一般的な学習塾のような与えられる勉強と札幌自学塾のような自ら学ぶ勉強では、どちらが将来のために役に立つでしょうか?
気になった方は、ぜひ、札幌自学塾の無料体験をお申し込み下さい。
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