注意:この記事は、塾長の事前確認を通さず、講師が勝手に投稿したものです。毎度のことですが。
これは、元ポ〇モンカードゲームマスター(北海道大会3位)である新道東店の若手講師が札幌自学塾の塾長に反逆する物語。
劇場版ポ〇ットモンスター「イガラシーの逆襲」…公開未定。
こんにちは。札幌自学塾・新道東店の講師、五十嵐です。
現在、塾長がYouTube動画講座を投稿しておりますが、その中の1つの動画で物凄く画面揺れが起きているものがあります。
これ、撮影のアシスタントをしている私の両腕の筋肉がプルップルに震えているせいなんですよね。
まともに動画を注視していると画面に酔う方もいらっしゃるかと思い、今回は、同様の内容を本記事にて解説しようと思います。
なお、今回採用している例題は簡単すぎて「誰が解説してもほとんど同じ内容」になってしまいます。
一応、私が実際に問題を解くときの方法をベースに解説しているので、もし、この記事の解説をご覧になって「あれ、コイツ、塾長よりも良いんじゃね?」と思って頂けたらシェアやコメントをお願いいたします。
ちなみに、当たり前の話ですが塾長に対して恨みも何もありません。ただの私の悪ノリです。笑
(問題の塾長の動画はこちら)※画面酔いにご注意下さい
三角形の合同証明の記述問題
動画内で塾長も申し上げておりますが、今年の数学の高校入試では「相似」が試験範囲から除外されたため、合同証明に関する記述問題が出題される可能性が極めて高いと予想しています。
その中でも、三角形の合同証明は、易しい問題から難しい問題まで幅広く作りやすいため、今回は、その基礎を取り上げてゆきます。
・三角形の合同を証明するためには
・合同証明の考え方のポイント
・合同証明の記述のポイント
・最後に…
三角形の合同を証明するためには
まず、三角形の合同証明で必ず覚えなくてはいけない合同条件を確認してみましょう。
全部で3パターンあります。「こんなの知ってるよ!」という方は次の例題へ読み飛ばして下さい。
「合同」とは、ある2つの図形が「形も大きさも同じ」であることです。要するに、合同な図形を2つ重ねるとピッタリと一致するんですね。
ちなみに、今回の試験範囲から外れた「相似」とは、ある2つの図形が「形は同じだけど大きさが異なる」つまり「拡大・縮小コピーをかけたもの」だと思って下さい。
本題の三角形の合同条件ですが、全部で3パターンあります。
何故これが成り立つかは今回は省略しますが、三角形の全ての辺と角(3辺+3角=6ヶ所)を調べなくても、以下のパターンのいずれかが成立すれば必ず合同な図形を描く事が出来ます。
要するに、全部の辺や角を調べるのが面倒いから必要最低限で済まそうとしたのが以下のパターンということです。
パターン①:3組の辺がそれぞれ等しい
赤線同士、青線同士、緑線同士の長さがそれぞれ等しいとき、△ABCと△DEFは必ず合同になります。
△ABCと△DEFにおいて、
AB=DE、BC=EF、CA=FD
3組の辺がそれぞれ等しいので、△ABC≡△DEF
パターン②:2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
赤線同士、青線同士の長さが等しく、緑の角同士の大きさがそれぞれ等しいとき、△ABCと△DEFは必ず合同になります。
△ABCと△DEFにおいて、
AB=DE、BC=EF、∠ABC=∠DEF
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、△ABC≡△DEF
パターン③:1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
赤線同士の長さが等しく、青の角同士、緑の角同士の大きさがそれぞれ等しいとき、△ABCと△DEFは必ず合同になります。
△ABCと△DEFにおいて、
BC=EF、∠ABC=∠DEF、∠ACB=∠DFE
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△ABC≡△DEF
合同証明の考え方のポイント
塾長のYouTube動画と全く同じ例題です。実際に見てゆきましょう。
問:図において、線分BDは∠ADCの二等分線であり、AD=BD、∠CAD=∠CBDである。このとき、△AED≡△BCDになることを証明せよ。
まずは、ゴールを確認しましょう。
△AED≡△BCDを証明することが目標です。
この2つの三角形が図中のどこを指しているのかを把握しましょう。
次に、設問文から読み取れる条件を図にどんどん書き入れてゆきます。
簡単なところでは、AD=BD(赤)、∠CAD=∠CBD(青)ですね。
だって、設問にそのまま書いてるんだもん。
このように設問に直接書いている前提条件を「仮定」と呼びます。
更に設問文から読み取れる条件を図に書き入れてゆきますが、ここで1つポイントがあります。
先程、仮定からAD=BD(赤)、∠CAD=∠CBD(青)が分かりましたが、これらは2つとも合同であることを証明したい△AEDと△BCDの一部です。
要するに、先程紹介した三角形の合同条件にそのまま当てはめることができます。
そうすると、ここで残る可能性は、
・2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
・1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい
のどちらかであり、
・2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい…と言うのであれば、残りはAE=BC(紫)を、
・1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい…と言うのであれば、残りは∠ADE=∠BDC(紫)を、
証明すれば良いことになるので、AE=BC(紫)と∠ADE=∠BDC(紫)のどちらか1つが証明できるかを考えるだけで済みます。
今回の例題は基礎的なので、ここまで深く考えずとも解けてしまいますが、難しい問題が出題された時にこの考え方のクセを身に付けていると非常に役に立ちます。
今回は、設問中に「線分BDは∠ADCの二等分線」とあるので、∠ADE=∠BDC(緑)であることが分かります。
「角の二等分線」の意味は皆さん分かりますか?
以上で、AD=BD(赤)、∠CAD=∠CBD(青)、∠ADE=∠BDC(緑)と3つの材料が揃いましたので、
「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」
と言うことができるため、△AED≡△BCDが成り立つと証明することができます。
合同証明の記述のポイント
では、実際に、例題の解答となる証明文を記述してみましょう。
ここでは、一般的な問題集の解答例にあるような記述方法に寄せています。
【解答例】
△AEDと△BCDにおいて、
仮定より、AD=BD・・・①、∠CAD=∠CBD・・・②
線分BDは∠ADCの二等分線なので、∠ADE=∠BDC・・・③
①、②、③より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので、△AED≡△BCD
【ポイント】
証明文を書くときにいくつかルールがありますので紹介します。
1.「△AED≡△BCD」を証明するのであれば、必ず「△AEDと△BCDにおいて」と書き始めること。
ここで、勝手に「△ADE」のように頂点を並び替えて書かないこと。
また「△BCDと△AEDにおいて」のように2つの三角形を左右反対に書かないこと。
2.AD=BD、∠CAD=∠CBDとなる理由を書くこと。
ここでは、設問に直接書いていたので「仮定より」と理由を添える。
また、△AEDに対応する辺や角をイコールの左に、△BCDに対応する辺や角をイコールの右に書くこと。
3.∠ADE=∠BDCとなる理由を書くこと。
ここでは、設問から「線分BDは∠ADCの二等分線なので」と理由を添える。
また、ここでも△AEDに対応する辺や角をイコールの左に、△BCDに対応する辺や角をイコールの右に書くこと。
さらに注意したいのが、
①②③ ①②③
△AEDと△BCDにおいて…と書き始めているので、
①③② ①③②
∠ADE=…に続く角も∠BDCと同じ ①③② の並びで書くこと。
(∠BDCも∠CDBも同一の角を指すが、この場合、∠ADE=∠CDBとは書かない。)
要するに「△AEDと△BCDにおいて」と書き始めているので、これに基いて並び順を綺麗に書きましょうという話です。
4.△AED≡△BCDとなる理由を書くこと。
合同条件の材料が全て出揃ったら、今回用いる「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので」と理由を添える。
最後に…
公立高校の入試まで1ヶ月を切りました。
今回の例題は基礎的だったので今年の受験生にとっては今更な内容ですが「合同証明の考え方のポイント」で記載した項目は、難しい問題にも通用する考え方です。
加えて1つアドバイスをすると、合同条件に必要な3つの材料が全て分からなくても一部だけでも書けば中間点がもらえる可能性がありますので、時間配分に気を付けながら諦めずに挑んで下さい。
また、現在の中学2年生は、証明文を記述する際のルールを今のうちからしっかりとマスターして下さい。
そんな訳で、塾長のYouTube動画の画面揺れから始まった思いつきの企画でしたがいかがでしたでしょうか。正直、動画の方が分かり易いかなと思います。
皆さんからの声援が高ければ私もYouTubeデビューするかもしれませんので、よろしかったら高評価・チャンネル登録・シェア等よろしくお願いいたします。
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