五十嵐先生の基礎英語9(副詞)
今回取り上げる副詞は、今までの名詞・動詞・形容詞よりも掴みどころがないのが少々やっかいです。
色々な使い方があるため、少しずつ見てゆきましょう。
・副詞
・動詞を修飾する
・形容詞を修飾する
・他の副詞を修飾する
・文章全体を修飾する
・副詞の位置
・最後に…
副詞
副詞とは、動詞、形容詞、他の副詞、文章全体を修飾する言葉で色々な用途があります。
副詞は直接文章の骨組みには関わってきません。ただの脇役です。モブです。
すなわち、主語・動詞・目的語・補語のいずれにも直接該当することはありません。
ただし、特定の副詞は、文章の意味を根本からひっくり返す程の強い影響力をもたらすものもあるため油断はできません。
まずは、意味による副詞の分類から見てゆきましょう。
①場所
here(ここに、ここで)
there(そこに、そこで)
near(近くに)※形容詞で「近い」という意味もある
far(遠くに)※形容詞で「遠い」という意味もある
②時
now(今は)
then(当時は)
soon(まもなく、すぐに)
early(早く)※形容詞で「早い」という意味もある
lately(このごろ)
before(以前に)※前置詞や接続詞もある
today(今日は)
ago(~前に)
already(既に)
③頻度・順序
sometimes(ときどき)
often(しばしば)
always(いつも)
once(かつて、一度)
next(次に)※形容詞で「次の」という意味もある
last(最後に、最近)※形容詞で「最近の」という意味もある
④様態
well(よく、上手に、十分に)※形容詞で「健康な」という意味もある
ill(悪く、下手に)※形容詞で「病気で」という意味もある
fast(速く)※形容詞で「速い」という意味もある
slowly(遅く)※slowだと形容詞で「遅い」という意味になる
happily(幸福に)※happyだと形容詞で「幸福な」という意味になる
carefully(注意深く)※carefulだと形容詞で「注意深い」という意味になる
certainly(確かに)※certainだと形容詞で「確実な」という意味になる
⑤程度・分量
very(非常に)
quite(完全に)
greatly(大いに)
enough(十分に)
too(とても)
much(大いに)※形容詞で「多くの」という意味もある
little(ほとんど~でない)※形容詞で「小さい」という意味もある
⑥肯定・否定
yet(まだ~でない)
no(少しも~でない)
not(~ではない)
never(決して~しない)
hardly(ほとんど~ない)
このように、副詞には様々な種類があることがわかります。
また、同じ単語でも副詞と形容詞の2つの意味を持つ場合もあります。
ところで、形容詞と副詞の違いは何でしょうか?
どちらも「ある単語を修飾する」という点では共通していますが、副詞は名詞を修飾することができません。
動詞を修飾する
副詞の用い方の1つに、動詞を修飾するというものがあります。
He ran fast.(彼は 速く 走った。)※“ran”は“run”の過去形
この文章では“fast”(速く)が動詞“ran”(走った)を修飾しています。
注意点としては“ran”は完全自動詞であり「主語+動詞+補語」とはなりません。
すなわち“he”=“fast”(彼=速く)ではないということです。
感覚的にはイコールになりそうですが違います。
ちなみに、不自然ではありますが“fast”がなくても文章自体は成立します。
He ran.(彼は 走った。)
形容詞を修飾する
副詞の用い方の1つに、形容詞を修飾するというものがあります。
She is very happy.(彼女は とても 幸福です。)
この文章では“very”(とても)が形容詞“happy”(幸福な)を修飾しています。
英文を読む際には、このような“very happy”という集まりで1つの形容詞のように扱うのがポイントです。
こうすることで「主語+動詞+補語」という風に見ることができます。
すなわち“she”=“very happy”(彼女=とても幸福)という関係が成立しています。
ちなみに、この文章も“very”がなくても成立します。
She is happy.(彼女は 幸福です。)
他の副詞を修飾する
副詞の用い方の1つに、他の副詞を修飾するというものがあります。
They study very hard.(彼らは とても 熱心に 勉強する。)
この文章では“very”(とても)が副詞“hard”(熱心に)を修飾しています。
なお、さらに“hard”は動詞“study”(勉強する)を修飾しています。
ちなみに、この文章も“very”がなくても成立します。
They study hard.(彼らは 熱心に 勉強する。)
もっと言うと、これも不自然ではありますが“hard”がなくても文章自体は成立します。
They study.(彼らは 勉強する。)
少し難しい話ですが“study”は完全自動詞であり「主語+動詞+補語」とはなりません。
すなわち“they”=“very hard”(彼ら=とても熱心に)ではないということです。
これも、感覚的にはイコールになりそうですが違います。
これも難しい話ですが“study”は「勉強する」という自動詞だけでなく「~を勉強する」という他動詞の意味もあります。
ですが、先程の文章の場合は「主語+動詞+目的語」とはならず「“very hard”を勉強する」という意味にはなりません。
なぜなら“very hard”は副詞句であって名詞ではないからです。
この文章の“study”を「~を勉強する」という他動詞として扱うには“study”の直後に目的語(名詞)が来る必要があります。
なお、次のような文章であれば“study”は他動詞として文章が成立します。
They study English very hard.(彼らは とても 熱心に 英語を 勉強する。)
これだと「主語+動詞+目的語」という骨組みに“very hard”という副詞句で意味を補足しており文章が成立します。
文章全体を修飾する
副詞の用い方の1つに、文章全体を修飾するというものがあります。
Perhaps she is wrong.(たぶん 彼女が 悪いのだろう。)
この文章では“perhaps”(たぶん)が“she is wrong.”という文章全体を修飾しています。
ちなみに、この文章も“perhaps”がなくても成立します。
she is wrong.(彼女が 悪い。)
文章自体は成立しますが“perhaps”があるかないかで文章の意味合いが大きく変わってしまいますね。
副詞の位置
これまでの内容から、副詞は、主語・動詞・目的語・補語のいずれにも直接該当しないことがわかりました。
つまり、副詞は直接文章の骨組みには関わってきません。何度も言いますが脇役です。
ところで、文章中で副詞を置く位置は、その単語ごとに全く異なります。
文頭、一般動詞の前、be動詞の後、形容詞の前、副詞の前、文末と色々なパターンがあります。
ある程度の法則はありますが、初めて見る副詞は必ず辞書で引いて例文を確認するようにして下さい。
最後に…
副詞は、動詞、形容詞、他の副詞、文章全体を修飾する言葉で色々な用途があります。
また、副詞は直接文章の骨組みには関わらず、主語・動詞・目的語・補語のいずれにも該当しません。
そのため、名詞→動詞→形容詞→副詞という順番に学んできました。
ただし、たった1つの副詞で文章の意味がガラっと変わることもあるため注意が必要です。
He writes letters.(彼は手紙を書く。)
He never writes letters.(彼は決して手紙を書かない。)
次回は、品詞シリーズの最終回、前置詞を学びましょう。(次回記事はこちら)
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