五十嵐先生の基礎英語7(動詞)
今回取り上げる動詞は、最も重要な品詞だと思います。
その分、かなり難しい内容かもしれません。頑張って理解できるまで、何度も繰り返し読んでみてください。
・動詞
・自動詞
・他動詞
・最後に…
動詞
動詞とは、動作や状態を表す言葉です。
以前の記事で、be動詞と一般動詞を学びましたね。
come(来る)
go(行く)
give(~を与える)
take(~を受け取る)
さて、品詞の中で一番重要なのは間違いなく動詞だと思います。
例外を除き、ほぼ全ての英語の文章には動詞が使われています。
be動詞や一般動詞の記事でも触れましたが、英語の文章は基本的に「主語+動詞」の順番に並びます。
ここで、先程例として挙げた一般動詞の日本語訳に注目してください。
“come”(来る)、“go”(行く)は、シンプルにそのままの意味を書きました。
ですが“give”(~を与える)、“take”(~を受け取る)には、わざわざ「~を」と付けています。
これは、五十嵐先生の独自の勉強方法なのですが、動詞の意味を辞書で調べてノートに書く際に、
give(与える)、take(持ってゆく)
ではなく、
give(~を与える)、take(~を持ってゆく)
と必ず書くようにしています。
これには理由があります。
一般動詞は、さらに「自動詞」と「他動詞」の2種類に分かれます。
これは、とても大事なことです。必ず覚えてください。具体的に見てゆきましょう。
自動詞
“come”(来る)、“go”(行く)などは自動詞と呼ばれます。
自動詞は後ろに目的語を置くことができない動詞とよく言われます。
ただ、これだけだと、よく分からないですよね。
パターン1:完全自動詞
“fly”(飛ぶ・素早く過ぎ去る)は、目的語も補語もとらない完全自動詞と呼びます。
(完全自動詞という言葉までは覚えなくても構いません。)
極端な例ですが、この動詞を用いる場合「主語+動詞」だけで文章が成立します。
Time flies.(時は 早く過ぎる)(光陰矢の如し※ことわざ)
先程の“come”(来る)や“go”(行く)も同様です。
ただ、一般的には「~から来る」「~へ行く」という使い方をすることが多いでしょう。
このとき、英語では、次のようには言いません。
× I come Sapporo.
× I go Sapporo.
これらは、それぞれ次のように言います。
〇 I come from Sapporo.
〇 I go to Sapporo.
これらの“from”や“to”は前置詞と呼ばれます。こちらは後日解説します。
パターン2:不完全自動詞
「~である」という意味の「be動詞」は、補語を必要とする不完全自動詞と呼びます。
(不完全自動詞という言葉までは覚えなくても構いません。)
この動詞を用いる場合「主語+動詞+補語」という並びになります。
He is a pianist.(彼は ピアニストです。)
先程から出てくる補語という言葉の意味ですが、簡単に表すと「主語=補語」という関係が成立します。
先程の例文では“he”=“a pianist”(彼=ピアニスト)という関係ですね。
一般的に、補語には名詞または形容詞を当てます。
形容詞については、次回学びますが、be動詞と併せて色々な状態を表します。
I am happy.(私は 嬉しい。)
I am sad.(私は 悲しい。)
どちらの例文も“I”=“happy”(私=嬉しい)、“I”=“sad”(私=悲しい)という関係ですね。
不完全自動詞には、他にも“look”(~のように見える)“become”(~になる)などがあります。
先程の完全自動詞“come”(来る)や“go”(行く)との違いは、動詞の直後に補語(名詞・形容詞)を置けるかどうかです。
“come”(来る)や“go”(行く)は“from”や“to”といった前置詞が必要だったのに対して、“look”(~のように見える)“become”(~になる)は直後に補語を置くことができます。
※参考(今は覚えなくても良いです)
動詞には「1つの意味や用法だけしかない」というケースは少ないです。
先程紹介した「be動詞」は「~である」という意味で不完全自動詞と紹介しましたが、他にも「存在する」という意味で完全自動詞になる場合もあります。
反対に“come”(来る)や“go”(行く)についても完全自動詞として紹介しましたが、他にも「~になる」という意味で不完全自動詞になる場合もあります。
ここでは詳しく解説しませんが、動詞には様々な意味や使い方があるとだけ覚えておいて下さい。
他動詞
“give”(~を与える)、“take”(~を受け取る)などは他動詞と呼ばれます。
他動詞は、日本語訳を見てわかるとおり、その1単語だけで「~を」や「~に」という部分まで意味を含んでいます。
そのため、他動詞の後ろには必ず名詞が来ます。この名詞の部分を目的語と言います。
パターン1:完全他動詞
“make”(~を作る)は、目的語を必要とする完全他動詞と呼びます。
(完全他動詞という言葉までは覚えなくても構いません。)
この動詞を用いる場合「主語+動詞+目的語」という並びになります。
We make dolls.(私たちは 人形を 作る。)
また、同じように“give”(~を与える)も「主語+動詞+目的語」という並びになります。
He gave a doll to me.(彼は 私に 人形を くれた。)※“gave”は“give”の過去形
この文章では「主語+動詞+目的語」に“to me”という言葉を添えて「私に」という情報を追加しています。(give 物 to 人)
さらに“give”という単語は「~を与える」という使い方だけではなく“give”という1つの単語だけで「~に…を与える」と用いることができます。(give 人 物)
この場合「主語+動詞+目的語+目的語」という並びになります。
He gave me a doll.(彼は 私に 人形を くれた。)
この文章の動詞の後には“me”(私)と “a doll”(人形)という明らかに別の名詞が2つ並んでおり、この場合「“me a doll”を与える」という意味にはなりません。
“me”(私)と “a doll”(人形)を分けて考える必要があります。少し難しいですね。
このように、同じ意味の文章でも、同じ動詞を用いて2通りの書き方ができる場合もあります。
He gave a doll to me. = He gave me a doll.
パターン2:不完全他動詞
“call”(~を…と呼ぶ)は、目的語も補語も必要とする不完全他動詞と呼びます。
(不完全他動詞という言葉までは覚えなくても構いません。)
この動詞を用いる場合「主語+動詞+目的語+補語」という並びになります。
We call the dog Andy.(私たちは その犬を アンディーと 呼んでいる。)
この文章の動詞の後には“the dog”(その犬)と “Andy”(アンディー)という2つの名詞が並んでいます。
ここで先程のパターン1で紹介した“give”という単語を思い出して下さい。
He gave me a doll.(彼は 私に 人形を くれた。)
“give”の場合も「主語+動詞+目的語+目的語」と動詞の後に“me”(私)と “a doll”(人形)という2つの名詞が並んでいました。
“call”と“give”、この違いは何でしょうか?
ポイントは「目的語=補語」という関係にあります。
“the dog”=“Andy”という関係は成り立ちますが“me”=“ a doll”とはなりません。
これが「主語+動詞+目的語+補語」と「主語+動詞+目的語+目的語」の違いです。
“call”(~を…と呼ぶ)を用いる「主語+動詞+目的語+補語」場合の補語は名詞のみですが、補語に形容詞を当てる動詞もあります。
“keep”(~を…にしておく)がその例です。
I always keep my room clean.(私は いつも 自分の部屋を きれいに しています。)
“always”は「いつも」という意味の副詞で後日解説します。今は無視して下さい。
この文章でも“my room”=“clean”(私の部屋=きれい)という関係が成り立っています。
※参考(今は覚えなくても良いです)
自動詞の場合と同様に、他動詞でも「1つの意味や用法だけしかない」というケースは少ないです。
先程紹介した“call”は「~を…と呼ぶ」という意味で不完全他動詞と紹介しましたが、他にも「~を呼ぶ」という意味で完全他動詞になる場合もあります。
また、反対に“make”は「~を作る」という意味で完全他動詞として紹介しましたが、他にも「~を…にする」という意味で不完全他動詞になる場合もあります。
やはり、動詞には様々な意味や使い方があるのです。
最後に…
今回取り上げた動詞というテーマは、今までで一番難しい内容でした。
どこまでやさしい内容にするか悩んで、この記事の内容も計7回書き直しました。
結局、物凄く難しい内容になってしまいましたが、それくらい譲れない重要な内容ということです。
このテーマに限っては、ブログではなく、直接教えた方が分かりやすいと思います。
気になった方は、ぜひ札幌自学塾を尋ねてみて下さい。
これだけ難しい分「動詞を制する者は英語を制する」と言っても過言ではないと思います。
色々なパターンを紹介しましたが、最低でも自動詞と他動詞の違いだけは必ずおさえて下さい。
目的語や補語などは、今後の記事を読んでいるうちに自然と理解できると思います。
次回は、形容詞を学びましょう。(次回記事はこちら)
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