こんにちは。札幌自学塾・新道東店の講師、五十嵐です。
勉強や仕事をするにあたって「量と質、どちらが大事か?」という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、札幌自学塾新道東店の講師が「量」と「質」について考えてみたいと思います。
量質転化の法則
札幌自学塾では「質より量、量が質を生む。」という考えを基本方針としています。
ところが、先日、ある教え子から「学校の先生に『量よりも質の方が大事だ』と言われた」と言われました。
なるほど、これは面白い。学習塾VS学校教育の全面戦争(?)勃発です。※ウソです
今回は「量と質、どちらが大事か?」をテーマに、勉強だけではなく、仕事にも通ずる考え方を考察します。
生徒だけではなく保護者の方々にも、ぜひ読んでほしい内容です。
・量が大事という人の主張
・質が大事という人の主張
・量質転化の法則
・数学的な考察
・最後に…
量が大事という人の主張
勉強するにあたって、量が大事だという人の主張は、
「たくさんの量をこなさないと質が生まれない」
というものです。
スポーツが分かりやすい例です。
たとえば、マラソン選手であれば、そもそも「走る練習」をしないと始まりません。
「走る練習」をたくさん頑張ることで「より速く走るにはどうすれば良いか」というステージに到達します。
42.195kmを走り抜く体力が無ければ、そもそもお話になりません。
質が大事という人の主張
勉強するにあたって、質が大事だという人の主張は、
「たくさんの量をこなしても質が伴わないと意味がない」
というものです。
これは、まさに今この記事を書いている私が分かりやすい例です。
私は20年近くもパソコンのキーボードを触っていますが、実は、未だにブラインドタッチ(キーボードを見ずにうつこと)ができません。
もちろん、アルファベット26文字の配列は感覚的には覚えていますが、私の場合は、見ながらタイピングする方が断然早いです。(290キー/分)
量質転化の法則
上記の「量が大事」と「質が大事」という主張はどちらも正しいと思います。
「あ、五十嵐が答えるの逃げた!」って思ったそこのあなた、私から言わせてもらえば「量」も「質」もどちらも大事です。
ところで、札幌自学塾の基本方針である「量が質を生む」という考えを「量質転化の法則」と言います。
文字通り、量を積み重ねることで質が向上するということですね。
ある意味「まずはやってみろ」「つべこべ言わずにやってみよう」というスタイル。
旧時代的な考え方だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、前述のマラソンの例のように意外と大事なことだと思います。
生徒で言えば、高校入試が1日5科目の5時間もあるのに、1日5時間机に向かうことができなければ話になりません。
このように書くと、一見、質よりも量の方が大事だと思えてきます。
では、どうして「量と質、どちらが大事か?」などという議論が起きるのでしょうか。
答えは、前提条件が統一されていないからです。(これは結構大事なプロセスです)
前述のマラソンの例で言えば、そもそも42.195kmを走り抜く体力が無い人と、42.195kmを何百回と走ってきた人では、当然ステージが異なります。
このような人たちを同じテーブルに乗せて議論すること自体がナンセンスなのです。
生徒の場合も同じで、5教科オール5や模試上位10%以内などのいわゆる優等生でもない限りは、そもそもの勉強量が足りていないケースがほとんどです。
そのような状況下で一般的な学習塾のような「テストに出るポイントだけを絞った質の高い授業」だけを受けたところで、机に向かうという基礎体力は養われません。
繰り返しになりますが、高校入試が1日5科目の5時間もあるのに、1日5時間机に向かうことができなければ話になりません。
余談ですが「なぜ勉強するのか?」という問いに対する答えは色々とありますが、その1つに、何かを学ぶにあたって必要となる基礎体力や集中力を養うためとも私は考えています。
もちろん、これは、高校や大学だけでなく、社会人という将来まで視野に入れてのことです。
数学的な考察
「数学が嫌い」と思ったそこのあなた、タイトルだけ見て読み飛ばしたらダメですよ。笑
「量と質、どちらが大事か?」という問いのナンセンスを指摘し「量も質もどちらも大事だ」と述べました。
では、これを学習塾の講師らしく、数学的に解説してみたいと思います。と言っても、ただの掛け算ですが。
ある生徒が勉強することで得られた知識は、Q(quality:質)とV(volume:量)という2つの文字を使い、
勉強することで得られた知識 = Q × V
という積(掛け算)の形で表すことができます。
ここで言うQは0~1の間の値をとり、Vは単純に勉強時間や勉強量そのものを示すものと思って下さい。
難しいと思った方は、これを無視して次の例を読んでみて下さい。
たとえば、生徒Aが英単語を1日で100個勉強したとします。
次の日、その英単語をどれくらい覚えたか確認したところ25個でした。
このとき、この生徒の勉強の質は0.25ということになります。
生徒Aが勉強することで得た知識 = 0.25 × 100 = 25
次に、生徒Bが英単語を1日で100個勉強したとします。
次の日、その英単語をどれくらい覚えたか確認したところ50個でした。
このとき、この生徒の勉強の質は0.5ということになります。
生徒Bが勉強することで得た知識 = 0.5 × 100 = 50
このように、生徒AとBを比べると、両者とも同じ「勉強量」なのに生徒Bの方が得た知識が多いことになります。
これは、生徒Aよりも生徒Bの方が「勉強の質」が高いからです。
では、この結果に悔しがる生徒Aはどのようにすれば良いのでしょうか。
答えは簡単で勉強量を2倍にすれば良く、この例だと英単語を1日で200個勉強することで生徒Bと同じ結果になります。
生徒Aが勉強することで得た知識 = 0.25 × 200 = 50
ですが、もし、ここに次のような生徒Cが居たらどうでしょうか。
生徒Cが英単語を1日で200個勉強したとします。
次の日、その英単語をどれくらい覚えたか確認したところ100個でした。
このとき、この生徒の勉強の質は0.5ということになります。
生徒Cが勉強することで得た知識 = 0.5 × 200 = 100
ご覧のとおり、生徒Cが3人の中では最も優秀な結果になりました。
これは、生徒Cの勉強の量と質の両方が高いからであり、私が「量も質もどちらも大事だ」と述べた最大の理由です。
「量が大事」「質が大事」と一方だけを求めるのは慢心であり、両者とも最大限に追求すべきというのが持論です。
※注釈:数値化して分かりやすい例として英単語の暗記を載せましたが、1日で英単語を100個も200個も覚えるのは非効率です。勉強は毎日コツコツ頑張りましょう。
最後に…
「量を優先すべき」か「質を優先すべき」かは、個人の置かれた立場によって異なります。
毎日15時間勉強し続けて全国模試でも上位1%に入るような超優等生と、毎日1時間の勉強さえできない生徒を同じテーブルで語ることはできません。
前述の数学的な考察で登場した3人の生徒A・B・C。
最も優秀な結果になったのは生徒Cですが、これに満足して勉強量を減らしてしまえば、生徒Bと同じ状態まで下がってしまいます。
また、生徒Aだって、勉強量を当初の4倍にすれば生徒Cに追いつくことも可能です。
今回の記事は、あえて不完全な状態にとどめてあります。
全てを知りたい方は、札幌自学塾にお越し下さい!ってことでお願いいたします。
(ブログのシェア拡散をいっぱいしてもらえたら続編がある…かも?)